大内 元 [Ouchi Gen]

ベッドサイドから仮想空間へ 
― ハイブリッド臨床実習がコンピテンシーを鍛える日 ―

大内先生
Principal investigator
大内 元
Ouchi Gen
琉球大学病院 救急部 特命講師

研究概要

OVID-19パンデミック禍により、2020年4月以降、大学教育の状況は大きく様変わりました。
かつての対面式講義からオンライン講義へ全面的に変更となり、自宅でPCに向かう毎日が学生の日常となりました。

緊急事態宣言解除後も、第1波、第2波、第3波と流行に応じ、一部両者のハイブリッド形式に移行はしたものの、一方では、コロナ感染症の終息は、いまだ予測がつきません。今後も教育のおかれた状況は変わらず、Withコロナ、Postコロナに向けた、長期的視点での新たな教育手法の確立が急務となっております。とりわけ、医療系学生の臨床実習は、多くの制限を受け、これまでのようなアウトカムを期待できない状態に追い込まれています。

このような状況を踏まえ、新たな形での臨床実習の確立が喫緊の課題となっています。

私たちは、従来のベッドサイドでの実習(BST)から、オンライン学習やシミュレーション教育を組み合わせた、より安全な学習環境(感染させない、感染しない)での実習継続・カリキュラム実施に取り組んでいます。そこで本研究では、3密、学生―患者の直接接触を避けた状態で、より臨床に近い環境を再現し、臨床実習に代わる知識・技能・態度(コンピテンシー)のトレーニングを効果的に行うための学習支援プラットフォームの開発を目指しています。臨床環境の再現には、従来のシミュレーション教育をさらに進化させた、VR(Virtual Reality)・AR(Augmented Reality)・MR (Mixed Reality) 技術を用い、遠隔でのオンライン臨床実習環境の構築し、受講生すべてが個別の場所からインターネットにアクセスし、Web上の仮想空間で、実習ができることをゴールとしています。

指導者も同時に参加し、リアルタイムでフィードバックを行っていきます。症例シナリオや状況設定を変えることで、各学年のカリキュラムに合わせた多様な実習をデザインすることが可能となります。
また、症例シナリオを変えることで、医学以外の医療専門職養成(看護師、理学療法士等)にも応用することができるでしょう。もちろん、患者さんに直接触れることのない実習には、限界もあります。これは、現実世界での臨床実習に期待される教育効果に、どこまで近づけるか、大きなチャレンジです。

Project Name ベッドサイドから仮想空間へ ― ハイブリッド臨床実習がコンピテンシーを鍛える日 ―
Project Members背戸博史 / 地域連携推進機構 教授
大屋祐輔 / おきなわクリニカルシミュレーションセンター長、琉球大学病院院長
比嘉広樹 / 琉球大学工学部工学科電気システム工学コース 教授
久木田一朗 / 琉球大学大学院医学研究科救急医学講座・教授
関口浩至 / 琉球大学大学院医学研究科救急医学講座・助教
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