ポストコロナ:太平洋島嶼における
健康・安全な社会・学校づくりに関する研究
研究概要
現在新型コロナ感染症は単にウィルス感染症としての影響だけでなく、メンタルヘルスや生活習慣病の悪化等につながっています。さらに福祉や教育、経済にも影響を与えて従来弱かったところをついているとも言われています。今回、保健学研究科が培ってきた国際ネットワークを利用して沖縄・グアム・フィリピン・インドネシアでの保健・教育・経済の分野での新型コロナ感染症の影響と対策における知見をまとめ、それを基に太平洋島嶼国との専門家との討議によって、島嶼地域のポストコロナの健康な社会・学校づくりに対して提言を行うことを目的とします。
島嶼地域には伝統的食生活や言語を失ってきた文化の脆弱性が健康被害につながっているというような弱い点もありますが、今回の新型コロナ対策で地方自治体・住民・保健医療職能団体の結束力による迅速な対応等のポジティブな点も多々見られ、同様なことはフィリピンやインドネシアでも見られています。
今回JICA沖縄との連携によって、太平洋島嶼国の行政官を招聘した国際ワークショップを開催し、ポジティブな課題解決アプローチの紹介を中心に研究成果を還元するだけでなく、これらの国々での人材育成のニーズを把握することも目的としています。すでに日本の外務省を中心として保健医療分野の人材育成の必要性は指摘されておりますが、今回具体的にどの様な分野・課題の人材育成が必要なのか、さらに新型コロナの長期的蔓延で課題があぶりだされてきている保健・医療のとどまらず他セクター融合アプローチ実現に関わる人材育成の必要性をも討議する予定です。
研究成果は論文としてまとめられるだけでなく、実際のアクションにつなげることを狙っています。JICA沖縄と琉球大学連携で年間約8本の課題別研修を実施してきていますが、各国からの研修内容について髙い評価を得ています。今年はON LINEでの開催で来沖ができないにも関わらず、自主的に多くの行政官が学んでいます。今回、ポストコロナを睨んだ新たな研修コースの実施につながればと考えています。さらに琉球大学の大学院生や学部生を本研究への参加を促し、現在推進している世界展開力強化事業によるミクロネシア各国との教育連携強化への還元も狙っています。
Project Name | ポストコロナ:太平洋島嶼における健康・安全な社会・学校づくりに関する研究 |
Project Members | 小林 潤 医学部保健学科 教授 石川 隆士 国際地域創成学部 教授 高倉 実 医学部保健学科 教授 本村 真 人文社会学部 教授 山田 恭子 グローバル教育支援機構 准教授 和氣 則江 医学部保健学科 講師 當山 裕子 医学部保健学科 講師 名護 麻美 グローバル教育支援機構特命講師 竹内 理恵 医学部保健学科 特命講師 John Robert Medina 医学部保健学科客員外国人研究員 Crystal Amiel Estrada フィリピン大学 准教授 Margaret Hattori Uchima グアム大学保健学部 学部長 Hamusu Kadriyan マタラム大学医学部 学部長 |
Related Link | 国際地域保健学教室ホームページ: http://www.okinawaghealth.com/ JICA沖縄―琉球大学保健分野課題別研修: http://www.okinawaghealth.com/user.php?CMD=101400000000189 国際地域保健学教室FACEBOOKページ: https://www.facebook.com/globalhealth.ryukyu 国際学校保健コンソーシアム・ホームページ: http://www.schoolhealth.asia/ |